『 いつかは自分の建築を。』

30代から建築士を目指し、奮闘する日々の記録

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きっと建築が楽しくなる本3冊

建築を見ることや訪れることが好きな人ってなんだか多い気がします。

そういえば、古くから人間が生きていく上で必要不可欠要素をあらわす『衣食住』という言葉の ”住” は建築に直結するものですよね。

「物件の間取り図を見るのが好き」って人もよく見かけますし、旅行好きの方だったら、観光地に行ってすることのひとつには、必ずと言っていいほど現地の有名な建物を訪れることが旅行プランに盛り込まれていることでしょう。マイホームなんかを持つことを考え始めると、少なからず建築についてちょっと知っておきたいなんて方もいると思います。

しかし、いざ建築について知ろうと思うとなかなか専門性が高いイメージ。そもそも建築について知るっていっても何を学べばいいかわかりませんよね。でも、建築ってとても身近なものです。外に出れば絶対視界には建物があるはずです。専門性なんて気にせずに、でもちょっとわかった感じで建築に触れてみたいですよね。

今回はそんな「ちょっとわかった感じで建築に触れてみたい」に近づくことができる書籍を3冊紹介しようと思います。専門書とは違い小説やエッセイのような感覚で建築の楽しさに触れることができる本を選んでみたので、興味がでたら是非手にとってみてください。

 

 

『住宅巡礼』中村好文著、新潮社

 


住宅巡礼
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中村好文さんという建築家をご存知でしょうか。中村さんは日本を代表する住宅建築家の一人です。

建築に対して、決して斬新なことをせず、飾らない建物を設計しながらも、その建物からは中村さんのシンプルだけど心くすぐるアイデア人間性、優しさを感じることができる、そんな建物を設計する私が大好きな建築家のひとりです。

この『住宅巡礼』は、そんな中村さんが各地の名作住宅を巡り、中村さんのスケッチと写真をちりばめながら建物についてまとめてある著書です。

かじりやすさからいうと、中村さんの視点で建物を見て感じたことがやさしい言葉で綴ってあり、「建築ってこういう風に見るんだ」と私たちにも新しい視点を与えてくれます。

前述した、「いつもと違った視点で建築が見れたら」という思いにヒントを与えてくれる、そんな本だと思います。

文章も難しい専門用語なんか一切なし、とても読みやすいので、建築をちょっとかじってみようかなという人の最初の1冊に選んでほしい本です。

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『宮脇檀 旅の手帳』宮脇彩著、彰国社

 


宮脇檀 旅の手帖
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宮脇檀さんは、日本を代表する建築家であり、多数の建築に関する著書を残したエッセイストでもあります。

宮脇檀さんの著書も読んでほしいですが、今回紹介するのは娘の宮脇彩さんが書いた『宮脇檀 旅の手帳』です。

宮脇さんは、旅先のホテルなどでは自ら部屋などの測量を行い、それを手書きで図面(スケッチ)にしてしまいます。

このスケッチがなんとも言えない、真似したいけどできないようなタッチなのです。

その旅先でのスケッチや出来事を娘である宮脇彩さんがエッセイとしてまとめたものになります。

文章も面白いですが、宮脇檀さんのスケッチをみているだけでもワクワクするような本になってます。

建築をかじるというよりは、建築のスケッチを目で見て楽しむという感じです。

装丁もかっこいいので本棚にあるだけでちょっとサマになります。

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BRUTUS〜建築を楽しむ教科書〜』

 


BRUTUS(ブルータス) 2017年 7/15号[建築を楽しむ教科書]

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観光地のガイドブックなどを見ると「建築家○○の名建築」なんて紹介があったりしますよね。そういう時、その建築家の名前を知ってるか知らないかで湧いてくる親近感が全く違うと思います。とはいえ、図書館とかにある建築の歴史本なんかで有名な建築家について知ろうとするのは大変そうですよね。

この本は雑誌「BRUTUS」が近代以降の日本建築史について体系的にまとめたものです。近代以降、日本ではどのような建築家が活躍し、どのような名作建築が生まれきたのかというが、時系列にわかりやすくイラストや写真つきでまとめてあります。

各時代の建築の社会的背景などもわかりやすく書いてあり、手元に置いておくだけでとても重宝します。

さっと一読すればなんとなく近代以降の日本の建築史が見えてきますし、この雑誌を読んで気になった建築家を、今度は自分で深掘りするなんてのもありですよね。

難しい建築の歴史本ではなく、雑誌タイトル通り、楽しみながら読み進めることができる資料集みたいな感じです。

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とりあえず3冊紹介しました。私も学生の身分であり様々な書籍や建築雑誌を読み漁っていますので、おすすめしたいものがあればまた紹介したいと思います。

 

おわり